三重県環境保全事業団 産業廃棄物処理事業

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平成12年度 事後調査結果

あらまし

  • はじめに

    本 報告書は、(財)三重県環境保全事業団が四日市市小山町地内に建設を進めている廃棄物処理センター計画について、「廃棄物処理センター建設計画に係る環境 影響評価書(以下、「評価書」という。)」に示した環境保全を図るために実施した事後調査結果の概要をとりまとめたものです。

    なお、三重県環境影響評価条例に基づく手続きは平成12年9月で終了しましたが、本事後調査は、原則として評価書の縦覧を開始した平成12年度の夏季から冬季の調査結果について取りまとめを行いました。

    ま た、調査項目のうち、ダイオキシン類及び外因性内分泌攪乱化学物質(以下、「環境ホルモン物質」という。)の測定結果の取扱いについては、「ダイオキシン 類対策特別措置法」等の整備に伴い、TEQ(毒性等量)の算出方法について新たにJISが規定されたこと、環境ホルモン物質について分析目標値等が示され たことから、一部の調査項目については、分析において求めることが出来る最低保証値である定量下限値の見直しを行いました。

  • 1.調査項目及び調査年月 (PDF:10KB)
  • 2.調査地点
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  • 3.調査結果

    < 大気質 > < 騒音・振動 > < 悪臭 > < 河川水 >

    < 地下水 > < 土壌 > < 特筆すべき動物 > < 水生生物(淡水魚類) >
    • 大気質

      図‐1に示した計画地周辺の4地点において、夏季から冬季にかけて調査を実施しました。

      その結果、気象については、当該地域では夏季に北西方向と南東方向の風が多く、秋・冬季では北西の風が多く見られました。気温では、9月に最高気温31.6℃、1月に最低気温-2.2℃を記録しました。

      また、窒素酸化物等大気汚染物質の詳細は表‐2(PDF:9KB)に示したとおりです。このうち、二酸化窒素及び二酸化硫黄については図‐4(PDF:7KB)図‐5(PDF:5KB)に示したとおりです。

      ダイオキシン類の調査結果は、図‐6(PDF:6KB)表‐3(PDF:5KB)に示したとおりです。
      調査結果は評価書における調査結果とほぼ同程度となっていました。

      その他の環境ホルモンの調査結果は、表‐4(PDF:5KB)に示したとおりです。
      今回の調査結果は、評価書の値とほぼ同程度の値でした。

    • 騒音・振動

      環境騒音・環境振動測定について、図‐2に示した最終処分場計画地敷地境界2地点において、また、建設騒音・建設振動については、中間処理施設計画地敷地境界4地点(調査地点図は省略)において実施しました。

      環境騒音の平均等価騒音レベルは、NO.1で昼間49dB、夜間44dB、NO.2で昼間51dB、夜間48dBでした。

      環境振動は、両地点の全ての時間帯で30dB以下(測定機器の保証最低値30dB)でした。 一方、建設騒音の騒音レベルは70dB~82dBで、評価書記載の予測結果(75dB~84dB)と同程度かこれを下回る結果でした。

      建設振動の振動レベルは40dB~58dBで、評価書記載の予測結果(40dB~59dB)とほぼ同等の値でした。

    • 悪臭

      図‐1に示した計画地敷地境界2地点と、計画地周辺2地点において調査を実施しました。 その結果、全ての調査地点で、評価書と同様、特定悪臭物質は基準値以下でした。 また、ヒトの嗅覚により試験を行う臭気指数は、定量下限(10)以下でした。

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    • 河川水

      図‐1に示した最終処分場計画地下流2地点において河川水の水質調査を実施しました。

      その結果と評価書記載の値を表‐5(PDF:5KB)に示しました。

      全りんを除く項目については、評価書の値と比べても大きな変化は見られませんでした。

      また、各季に実施した項目(健康項目等)については、ほとんどの項目で定量下限値未満でした。

      環境ホルモン(ダイオキシン類を含む)調査結果は表‐6(PDF:6KB)に示したとおりです。

      ダイオキシン類及びその他の環境ホルモンともに、評価書における調査結果とほぼ同程度かこれを下回る調査結果となっていました。

    • 地下水

      図‐1に示した最終処分場計画地内の2地点において地下水の調査を行いました。  その結果、環境基準項目では、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素が夏季において環境基準値を超える値でした。

      その他の項目はすべて定量下限値未満でした。

      環境ホルモンのうち、ダイオキシン類については表‐7(PDF:6KB)に示したとおり、NO.Aでは評価書の値をやや上回りましたが、NO.Bでは評価書を下回る値でした。

      また、その他の環境ホルモンでは、スチレンモノマーとNO.Bでペルメトリンがやや高い値を示したものの、その他の項目は評価書と同程度か又は定量下限値未満でした。

      <メモ>

      今回のダイオキシン類の調査結果が評価書の値と異なっていることについて。

      「ダイオキシン類対策特別措置法」などの整備に伴い、ダイオキシン類の測定結果に基づくTEQ(毒性等量)の算出は、JIS(日本工業規格)で次の3方法が規定されました。

      (1)定量下限以上の値はそのままの数値を用い、定量下限未満で検出下限以上の値と検出下限未満のものは0として各異性体のTEQを算出し、それらを合計してTEQを算出する。

      (2)定量下限以上の値と定量下限未満で検出下限以上の値はそのままその値を用い、検出下限未満のものは試料における検出下限を用いて各異性体のTEQを算出し、それらを合計してTEQを算出する。

      (3)定量下限以上の値と定量下限未満で検出下限以上の値はそのままその値を用い、検出下限未満のものは試料における検出下限の2分の1を用いて各異性体のTEQを算出し、それらを合計してTEQを算出する。 これらについては、必ず、算出方法を明示することとされています。

      大気や河川水等は(3)の方法でTEQの算出を行い、罰則を伴うこともある排ガスや排水の測定結果は十分な精度が確保できない定量下限未満の値を前提とすることが出来ないため、(1)によりTEQを算出することとされています。

      評価書を含め、従来はほとんどの測定結果は(1)によりTEQの算出を行ってきましたが、今後は大気や河川水などでは(3)によりTEQを算出することと なり、同じ測定結果でもTEQの算出結果は差がみられる場合があります。特に低濃度域では同じ測定結果でもTEQの値は大きな差がみられる場合がありま す。

      【用語解説】

      ※1 定量下限値とは・・・精度が十分である分析機器で、求めることができる最低保証値。

      ※2 検出下限値とは・・・ある物質の存在の有無が確認できる最小値。

    • 土壌

      図‐2に示した計画地周辺6地点において周辺土壌調査を、同じく計画地周辺2地点において水田土壌調査及び玄米調査を実施しました。

      その結果、周辺土壌の環境基準項目はすべて定量下限値未満でした。

      環境ホルモンについては、ダイオキシン類の調査結果を表‐8(PDF:6KB)に示しました。

      今回の調査で、比較的高い値を示したNO.2は茶畑、NO.4は水田周辺であり、いわゆる農用地であるため、農薬由来による可能性が考えられます。

      その他の環境ホルモンについては、表‐9(PDF:8KB)に示したとおりです。

      一方、水田土壌については、酸抽出による方法で砒素及び銅が検出されましたが、環境基準値以下でありました。その他の項目については定量下限値未満でありました。

      また、玄米中のダイオキシン類の調査結果については、表‐10(PDF:4KB)に示したとおり0.028~0.030 pg-TEQ/gであり、環境省が実施した調査結果(現況調査では玄米中のダイオキシン類調査は実施していない)と比較しても同調査結果の範囲内でありました。

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    • 特筆すべき動物

      【オオタカ・ハイタカ】

      前掲の図‐3に示した最終処分場計画地及びその周辺において、特筆すべき動物であるオオタカ、ハイタカについて表‐11(PDF:4KB)に示したとおり調査を実施しました。 その結果、両種とも生息を確認することはできませんでした。

      【フクロウ】

      現況調査において生息を確認した場所を中心に、前掲の図‐3に示した最終処分場計画地内を任意に踏査し調査を実施しました。

      その結果、フクロウの生息を確認することはできませんでした。  表-12(PDF:4KB)

      【ゲンジボタル】

      前掲の図‐3に示した最終処分場計画地内を流れる天白川において成虫を確認する夜間調査を実施しました。

      現地調査の結果、表‐13(PDF:4KB)に示したとおり、第1回調査時に2個体、第2回調査時に23個体、第3回調査時に25個体で、広範囲にわたって確認されました。

      ゲンジボタル

    • 水生生物(淡水魚類)

      前掲の図‐3に示した最終処分場計画地内を流れる天白川(P.1及びP.2の調査地点)において淡水魚類調査を実施しました。

      調査の結果、表‐14(PDF:6KB)に示したとおり、評価書の現況調査時(表‐15(PDF:5KB))と比較しても種数、個体数とも大きな変化は見られませんでした。

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