一般廃棄物処理基本計画は、一般廃棄物処理におけるマスタープランであり、市町村が長期的・総合的視点に立って、計画的なごみ処理の推進を図るための基本方針となります。
ごみの排出抑制、発生、収集運搬、中間処理、最終処分に至るまでの、ごみの適正な処理を進めるために必要な基本的事項を検討していきます。ごみ編、生活排水処理編に分けて作成することもできます。
ごみ処理施設は特殊な設備を含む高度な技術の集合体のため、一般的に設計と施工を併せて契約を行う「性能発注方式(設計施工付契約)」が採用されています。(学校等の施設で多く採用されている実施設計発注では決められた図面とおりにしか施工されません。)
このため、プラントメーカーに基本設計(見積設計図書)の作成を依頼するための「見積発注仕様書」が必要になります。次に、プラントメーカーから提出された基本設計を比較検討し、特定メーカーに片寄らないように最終発注仕様書(入札用)を作成します。
旧焼却施設を解体するために、ダイオキシン類、アスベストによる暴露防止対策や周辺環境調査を考慮して、見積発注仕様書を作成し、解体業者から基本設計(見積設計図書)を徴収し、特定解体業者に片寄らないように最終発注仕様書(入札用)を作成します。
ごみ処理施設、汚泥再生処理センター等の整備に際し、環境省からの循環型社会形成推進交付金を受けるために必要となる循環型社会形成推進地域計画(以下「地域計画」という。)を作成します。
地域計画は、5~7年の計画期間で策定されるもので、内容は地域の一般廃棄物に関係するハード面(施設整備計画、規模、概算事業費等)、ソフト面(ごみ減量化施策、不法投棄対策、ごみ量予測等)の多様な方向からの記述が必要になります。一部事務組合を形成している場合には、構成市町村を含めた地域計画となります。
環境省所管の補助金等を受けて整備された一般廃棄物処理施設を解体等する際には、財産処分申請を行っておく必要があります。この財産処分承認申請に必要となる関係書類を財産処分承認基準等に基づいて作成します。
廃棄物処理法施行規則の第5条には、「ごみ処理施設、汚泥再生処理センターの管理者は、これらの施設の機能を保全するため、定期的に、その機能状況、耐用の度合等について精密な検査を行うようにしなければならない。」と規定されています。
精密機能検査は3年に1回以上、機能検査は毎年1回以上実施することになっています。
ごみ焼却施設及びし尿処理施設の検査種類と実施頻度は次のとおりです。
ばい煙・水質など検査 | 機能検査 | 精密機能検査 | |
---|---|---|---|
実施の根拠 | 施行規則 第4条の2 1項12号 |
左と同じ | 施行規則 第5条1項 |
実施期間 | ・ごみ質:年4回以上 ・焼却出口温度:常時 ・ばい煙:2月に1回又は1年2回以上 ・他は毎年1回以上 (昭和52年11月4日環整第95号 課長通知4の1) |
毎年1回以上 (課長通知*第4条10項) |
3年に1回以上 (課長通知*第4条11項) |
検査の内容 | ごみ質、焼却残渣の熱しゃく減量、ばい煙、燃焼室出口温度、放流水質等 | 運転実績、作業状況、各工程の処理条件と処理効果など | 機能検査及び設備、装置の耐用度合いの検査など (昭和52年11月4日環整第95号 課長通知別紙4) |
実施者 | ・管理者 ・施行規則 第4条の21項14号 |
左と同じ | 施行規則 第5条 |
* 課長通知:昭和46年10月25日 環整第45号「廃棄物処理・清掃法の運用に伴う留意事項について」
水質など検査 | 機能検査 | 精密機能検査 | |
---|---|---|---|
実施の根拠 | 施行規則 第4条の2 2項22号 |
左と同じ | 施行規則 第5条1項 |
実施期間 | 毎月1回以上 (昭和52年11月4日環整第95号 課長通知4の3) |
毎年1回以上 |
3年に1回以上 (同左課長通知第4条11項) |
(昭和46年10月25日環整第45号 課長通知第4条10項) | |||
検査の内容 | 放流水:BOD、SS、pH、COD、Cl、大腸菌群数など | 処理量、処理効果 | 機能検査及び耐用度合いの検査 (昭和52年11月4日課長通知95号の5、別紙4) |
実施者 | 市町村の管理者 施行規則 第4条の2 2項14号 |
左と同じ | 施行規則第5条 |
海洋プラスチックごみ問題が2019年6月の「G20大阪サミット」で,共通の世界のビジョンとして,2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減することを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が共有されました。
また、三重県も1,000kmを超える海岸線を有しており、砂浜やリアス海岸など変化に富んだ美しい景観となっていますが、多くの海岸では、川を経由して海に流れ込んだプラスチックごみなどが堆積・散乱しており、景観や自然環境だけでなく、漁業活動にも影響を及ぼしています。
このような背景を受け、「三重県海岸漂着物対策推進計画」が平成24年3月に策定されました。
事業団においては、三重県内において蓄積したノウハウを活かし、海域における環境の現況分析や各種事業に伴う環境調査等を提案していきます。
食品安全マネジメントシステムは、主な規格としてISO22000と、FSSC22000(Food Safety System Certification)が発行されていますが、日本では、2016年に農林水産省等の支援により (一財) 食品安全マネジメント協会(JFSM)が設立され、広く食品の安全の展開を図ることを目的として、日本版の食品安全マネジメントシステム規格(JFS)(注1)が発行されました。
この規格は、国際規格より比較的簡素なA規格、B規格が用意されており、国際的に通じるC規格より取得が容易であり、また、規格に関連する支援の提供も可能となっています。
(注1):食品安全マネジメントシステム規格(JFS)大手食品会社、小売企業が設立した(一財)食品安全マネジメント協会が作成した日本発の食品安全マネジメント規格で、一般的衛生管理が中心となるA規格、HACCP(注2)の実施を含むB規格、国際取引に使われるC規格の3つのレベルがあります。このうち、A、B規格(JFS-A/Bと略称)の監査業務においては、改善の指導等も行えることから中小食品企業にとっては利便性の高い規格となっています。C規格は国際認証に基づく高度な規格となっています。
(注2):HACCP(Hazard Analysis Critical Control Point)危害分析・重点管理点食品生産工程のすべての段階で予想される危害を分析し、食品危害を重点的に管理する手法です。
食品業界では、食の安心安全にむけて2021年にHACCPが制度化されることが決まっています。事業団では、食品安全マネジメントシステム監査とともに、HACCP構築のための支援に取り組んでいます。