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工場排水等の排水の水質分析

工場排水や事業所排水等の排水を河川や海域等の公共用水域に放流する場合には、水質汚濁防止法に基づいて、水質汚濁防止法施行規則に掲げる排水基準(一律排水基準)を満たしていることが求められています。一律排水基準は、有害物質についてはそれを排出するすべての特定事業場の排出水に、その他の項目(生活環境項目)については1日の平均的な排水量が50m3以上の工場または事業場の排出水に適用されており、定期的な水質検査が必要です。

また、排水が伊勢湾に流れ込む一部地域は、水質汚濁防止法施行令において「指定地域」として指定されており、「総量規制基準」が適用されています。(三重県HP「三重の環境」

※総量規制基準:汚濁が著しい広域的な閉鎖性水域の水質改善を図るため、指定地域内の一定規模以上の事業場に対し、濃度規制に加え、COD、窒素含有量及びりん含有量について1日あたりの許容排出量について規制基準を定めるもの

さらに、一部の業種及び地域では一律排水基準よりも厳しい基準(上乗せ基準)が三重県県条例等で定められています。なお三重県では、日排水量が50m3未満の小規模事業場及び未規制事業場についても、一部規制の対象となっています。

この他に、公共下水道等への排出について、「除害施設の設置等に関する条例の基準」及び「特定事業場からの下水の排除の制限に係る水質の基準」が下水道法施行令で定められています。

 

当事業団では、工場排水をはじめとする排水全般の分析を行っています。

また、ご要望に応じて出張採水等の対応も行っています。

その他、法律や条例に定められた分析項目以外につきましても、下記連絡先までお気軽にお問い合わせください。

分析依頼についてはこちらをご覧ください。

 

基準値一覧

◎一律排水基準

有害物質

その他の項目

県条例で定める上乗せ基準 

下水道法関連

〇除害施設の設置等に関する条例の基準

〇特定事業場からの下水の排除の制限に係る水質の基準

 

一律排水基準(有害物質)

有害物質に関する一律排水基準値は以下に示すとおりです。

詳細は環境省HPをご覧ください。

項目 許容限度 項目 許容限度
 カドミウム及びその化合物  0.03mg/L  シス-1,2-ジクロロエチレン  0.4mg/L
 シアン化合物  1mg/L  1,1,1-トリクロロエタン  3mg/L
 有機燐化合物
 (パラチオン、メチルパラチオン、
 メチルジメトン及び EPNに限る。)
 1mg/L  1,1,2-トリクロロエタン  0.06mg/L
 鉛及びその化合物  0.1mg/L  1,3-ジクロロプロペン  0.02mg/L
 六価クロム化合物  0.2mg/L  チウラム  0.06mg/L
 砒素及びその化合物  0.1mg/L  シマジン  0.03mg/L
 水銀及びアルキル水銀
 その他の水銀化合物
 0.005mg/L  チオベンカルブ  0.2mg/L
 アルキル水銀化合物  検出されないこと。  ベンゼン  0.1mg/L
 ポリ塩化ビフェニル  0.003mg/L  セレン及びその化合物  0.1mg/L
 トリクロロエチレン  0.1mg/L  ほう素及びその化合物  海域以外の公共用水域に排出されるもの  10mg/L
 テトラクロロエチレン  0.1mg/L  海域に排出されるもの  230mg/L
 ジクロロメタン  0.2mg/L  ふっ素及びその化合物  海域以外の公共用水域に排出されるもの  8mg/L
 四塩化炭素  0.02mg/L  海域に排出されるもの  15mg/L
 1,2-ジクロロエタン  0.04mg/L  アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物(※)  100mg/L
 1,1-ジクロロエチレン  1mg/L  1,4-ジオキサン  0.5mg/L

※アンモニア性窒素に0.4を乗じたもの、亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素の合計量

備考

1.「検出されないこと。」とは、第2条の規定に基づき環境大臣が定める方法により排出水の汚染状態を検定した場合において、その結果が当該検定方法の定量限界を下回ることをいう。

2.砒(ひ)素及びその化合物についての排水基準は、水質汚濁防止法施行令及び廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令(昭和49年政令第363号)の施行の際現にゆう出している温泉(温泉法(昭和23年法律第125号)第2条第1項に規定するものをいう。以下同じ。)を利用する旅館業に属する事業場に係る排出水については、当分の間、適用しない。

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一律排水基準(その他の項目)

その他の項目(生活環境項目)に関する一律排水基準値は以下に示すとおりです。

詳細は環境省HPをご覧ください。

項目 許容限度
 水素イオン濃度(pH)  海域以外の公共用水域に排出されるもの  5.8以上8.6以下
 海域に排出されるもの  5.0以上9.0以下
 生物化学的酸素要求量(BOD)  160mg/L
 (日間平均 120mg/L)
 化学的酸素要求量(COD)  160mg/L
 (日間平均 120mg/L)
 浮遊物質量(SS)  200mg/L
 (日間平均 150mg/L)
 ノルマルヘキサン抽出物質含有量(鉱油類含有量)  5mg/L
 ノルマルヘキサン抽出物質含有量(動植物油脂類含有量)  30mg/L
 フェノール類含有量  5mg/L
 銅含有量  3mg/L
 亜鉛含有量  2mg/L
 溶解性鉄含有量  10mg/L
 溶解性マンガン含有量  10mg/L
 クロム含有量  2mg/L
 大腸菌数  日間平均 800CFU/mL
 窒素含有量  120mg/L
 (日間平均 60mg/L)
 燐含有量  16mg/L
 (日間平均 8mg/L)

備考

1.「日間平均」による許容限度は、1日の排出水の平均的な汚染状態について定めたものである。

2.この表に掲げる排水基準は、1日当たりの平均的な排出水の量が50立方メートル以上である工場又は事業場に係る排出水について適用する。

3.水素イオン濃度及び溶解性鉄含有量についての排水基準は、硫黄鉱業(硫黄と共存する硫化鉄鉱を掘採する鉱業を含む。)に属する工場又は事業場に係る排出水については適用しない。

4.水素イオン濃度、銅含有量、亜鉛含有量、溶解性鉄含有量、溶解性マンガン含有量及びクロム含有量についての排水基準は、水質汚濁防止法施行令及び廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令の施行の際現にゆう出している温泉を利用する旅館業に属する事業場に係る排出水については、当分の間、適用しない。

5.生物化学的酸素要求量についての排水基準は、海域及び湖沼以外の公共用水域に排出される排出水に限って適用し、化学的酸素要求量についての排水基準は、海域及び湖沼に排出される排出水に限って適用する。

6.窒素含有量についての排水基準は、窒素が湖沼植物プランクトンの著しい増殖をもたらすおそれがある湖沼として環境大臣が定める湖沼、海洋植物プランクトンの著しい増殖をもたらすおそれがある海域(湖沼であって水の塩素イオン含有量が1リットルにつき9,000ミリグラムを超えるものを含む。以下同じ。)として環境大臣が定める海域及びこれらに流入する公共用水域に排出される排出水に限って適用する。

7.燐(りん)含有量についての排水基準は、燐(りん)が湖沼植物プランクトンの著しい増殖をもたらすおそれがある湖沼として環境大臣が定める湖沼、海洋植物プランクトンの著しい増殖をもたらすおそれがある海域として環境大臣が定める海域及びこれらに流入する公共用水域に排出される排出水に限って適用する。

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県条例で定める上乗せ基準

県条例で定められた上乗せ基準の一例は以下に示すとおりです。

詳細は三重県HP「三重の環境」をご覧ください。

 

第一種水域(一部抜粋)

適用排水量
(1日当たりの平均的な排出水量)
新設(昭和47年1月1日以降に設置)
の特定事業場
新設以外の特定事業場
50m3以上
(ノルマルヘキサン抽出物質含有量
については400m
3以上)
400m3以上
 水素イオン濃度(水素指数)(pH)
 ただし、海域に排出されるもの
5.8以上8.6以下
 生物化学的酸素要求量(BOD)※1 25mg/L(日間平均20mg/L) 65mg/L(日間平均50mg/L)
 化学的酸素要求量(COD)※2 25mg/L(日間平均20mg/L)
 浮遊物質量(SS)※2 90mg/L(日間平均70mg/L) 90mg/L(日間平均70mg/L)
 ノルマルヘキサン抽出物質含有量
 (鉱油類含有量)
日間平均1mg/L 日間平均1mg/L
 ノルマルヘキサン抽出物質含有量
 (動植物油脂類含有量)
日間平均10mg/L
 フェノール類含有量 1mg/L 1mg/L
 銅含有量 1mg/L 1mg/L

※1:畜産農業及び畜産サービス業、毛紡績業(洗毛を行うものに限る)を除く全業種に係る基準

※2:畜産農業及び畜産サービス業を除く全業種に係る基準

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下水道法関連

公共下水道等への排出については下水道法施行令により、除害施設の設置や特定事業場から排出される水質について基準が設けられています。

 

除害施設の設置等に関する条例の基準

項目 基準
 温度  45℃以上あるもの
 水素イオン濃度(pH)  5以下又は9以上あるもの
 ノルマルヘキサン抽出物質含有量
 (鉱油類含有量)
 5mg/Lを超えるもの
 ノルマルヘキサン抽出物質含有量
 (動植物油脂類含有量)
 30mg/Lを超えるもの
 沃素消費量  220mg/L以上であるもの

 

特定事業場からの下水の排除の制限に係る水質の基準

項目 基準値 項目 基準値
 カドミウム及びその化合物  0.03mg/L以下  1,3-ジクロロプロペン  0.02mg/L以下
 シアン化合物  1mg/L以下  チウラム  0.06mg/L以下
 有機燐化合物
 (パラチオン、メチルパラチオン、
 メチルジメトン及び EPNに限る。)
 1mg/L以下  シマジン  0.03mg/L以下
 鉛及びその化合物  0.1mg/L以下  チオベンカルブ  0.2mg/L以下
 六価クロム化合物  0.5mg/L以下  ベンゼン  0.1mg/L以下
 砒素及びその化合物  0.1mg/L以下  セレン及びその化合物  0.1mg/L以下
 水銀及びアルキル水銀
 その他の水銀化合物
 0.005mg/L以下  ほう素及びその化合物  海域以外の公共用水域に
  放流されるもの
 10mg/L以下
 アルキル水銀化合物  検出されないこと。  海域に排放流されるもの  230mg/L以下
 ポリ塩化ビフェニル  0.003mg/L以下  ふっ素及びその化合物  海域以外の公共用水域に
  放流されるもの
 8mg/L以下
 トリクロロエチレン  0.1mg/L以下  海域に放流されるもの  15mg/L以下
 テトラクロロエチレン  0.1mg/L以下  1,4-ジオキサン  0.5mg/L以下
 ジクロロメタン  0.2mg/L以下  フェノール類  5mg/L以下
 四塩化炭素  0.02mg/L以下  銅及びその化合物  3mg/L以下
 1,2-ジクロロエタン  0.04mg/L以下  亜鉛及びその化合物  2mg/L以下
 1,1-ジクロロエチレン  1mg/L以下  鉄及びその化合物(溶解性)  10mg/L以下
 シス-1,2-ジクロロエチレン  0.4mg/L以下  マンガン及びその化合物(溶解性)  10mg/L以下
 1,1,1-トリクロロエタン  3mg/L以下  クロム及びその化合物  2mg/L以下
 1,1,2-トリクロロエタン  0.06mg/L以下  ダイオキシン類  10pg-TEQ/L以下

 

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分析依頼についてはこちらをご覧ください。

ご相談は下記連絡先までお願いします。

連絡先:(一財)三重県環境保全事業団 科学分析部 第一分析課

電話:059-245-7508  FAX:059-245-7516

受付時間:8:45~17:30 (土・日・祝日を除く)

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