河川、湖沼、海域等の公共用水域では、環境基本法第16条に基づいて、人の健康を保護し及び生活環境を保全するうえで維持することが望ましい基準(環境基準)が定められています(「水質汚濁に係る環境基準について」)。
同様に地下水についても人の健康を保護する上で維持することが望ましい基準(地下水環境基準)が定められています(「地下水の水質汚濁に係る環境基準について」)。
その他にも、農業用水基準や水産用水基準が指針として定められています。
当事業団では、環境水全般の分析を行っています。
分析に関するご相談は下記連絡先まで、お気軽にお問い合わせください。
分析依頼についてはこちらをご覧ください。
〇河川
〇湖沼(天然湖及び貯水量が1,000万立方メートル以上であり、かつ、水の滞留時間が4日間以上である人工湖)
〇海域
人の健康の保護に関する環境基準は以下に示すとおりです。
詳細は環境省HPをご覧ください。
項目 | 基準値 | 項目 | 基準値 |
カドミウム | 0.003mg/L 以下 | 1,1,2-トリクロロエタン | 0.006mg/L以下 |
全シアン | 検出されないこと。 | トリクロロエチレン | 0.01mg/L 以下 |
鉛 | 0.01mg/L 以下 | テトラクロロエチレン | 0.01mg/L 以下 |
六価クロム | 0.02mg/L 以下 | 1,3-ジクロロプロペン | 0.002mg/L以下 |
砒素 | 0.01mg/L 以下 | チウラム | 0.006mg/L以下 |
総水銀 | 0.0005mg/L以下 | シマジン | 0.003mg/L以下 |
アルキル水銀 | 検出されないこと。 | チオベンカルブ | 0.02mg/L 以下 |
PCB | 検出されないこと。 | ベンゼン | 0.01mg/L 以下 |
ジクロロメタン | 0.02mg/L 以下 | セレン | 0.01mg/L 以下 |
四塩化炭素 | 0.002mg/L以下 | 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 | 10mg/L 以下 |
1,2-ジクロロエタン | 0.004mg/L以下 | ふっ素 | 0.8mg/L 以下 |
1,1-ジクロロエチレン | 0.1mg/L 以下 | ほう素 | 1mg/L 以下 |
シス-1,2-ジクロロエチレン | 0.04mg/L 以下 | 1,4-ジオキサン | 0.05mg/L以下 |
1,1,1-トリクロロエタン | 1mg/L 以下 |
備考(一部抜粋)
1.基準値は年間平均値とする。ただし、全シアンに係る基準値については、最高値とする。
2.「検出されないこと」とは、測定方法の項に掲げる方法により測定した場合において、その結果が当該方法の定量限界を下回ることをいう。
3.海域については、ふっ素及びほう素の基準値は適用しない。
この他に、「ダイオキシン類による大気の汚染、水質の汚濁(水底の底質の汚染を含む。)及び土壌の汚染に係る環境基準」によりダイオキシン類の環境基準値が定められています(1ng-TEQ/L以下)。
備考(一部抜粋)
1.基準値は、2,3,7,8−四塩化ジベンゾ−パラ−ジオキシンの毒性に換算した値とする。
2.基準値は、年間平均値とする。
生活環境の保全に関する環境基準の一例は以下に示すとおりです。詳細は環境省HPをご覧ください。
また、三重県における河川及び海域の類型指定水域は三重県HP「三重の環境」をご覧ください。
河川
ア
項目 類型 |
利用目的の適応性 | 基準値 | ||||
水素イオン濃度 (pH) |
生物化学的 酸素要求量 (BOD) |
浮遊物質量 (SS) |
溶存酸素量 (DO) |
大腸菌数 | ||
AA | 水道1級 自然環境保全 及びA以下の欄に 掲げるもの |
6.5以上8.5以下 | 1mg/L以下 | 25mg/L以下 | 7.5mg/L以上 | 20CFU/100mL以下 |
A | 水道2級 水産1級 水浴 及びB以下の欄に 掲げるもの |
6.5以上8.5以下 | 2mg/L以下 | 25mg/L以下 | 7.5mg/L以上 | 300CFU/100mL以下 |
備考(一部抜粋)
1.基準値は、日間平均値とする(湖沼、海域もこれに準ずる。)。
2.農業用利水点については、水素イオン濃度6.0以上7.5以下、溶存酸素量5mg/L以上とする(湖沼もこれに準ずる。)。
4.水道1級を利用目的としている地点(自然環境保全を利用目的としている地点を除く。) については、大腸菌数 100CFU/100mL以下とする。
5.水産1級、水産2級及び水産3級については、当分の間、大腸菌数の項目の基準値は適用しない(湖沼、海域もこれに準ずる。)。
イ
項目 類型 |
利用目的の適応性 | 基準値 | ||
全亜鉛 | ノニルフェノール | 直鎖アルキルベンゼン スルホン酸及びその塩 |
||
生物A | イワナ、サケマス等 比較的低温域を好む水生生物 及びこれらの餌生物が生息する水域 |
0.03mg/L以下 | 0.001mg/L以下 | 0.03mg/L以下 |
生物B | コイ、フナ等 比較的高温域を好む水生生物 及びこれらの餌生物が生息する水域 |
0.03mg/L以下 | 0.002mg/L以下 | 0.05mg/L以下 |
備考
1.基準値は、年間平均値とする(湖沼、海域もこれに準ずる。)。
海域
ア
項目 類型 |
利用目的の適応性 | 基準値 | ||||
水素イオン濃度 (pH) |
化学的酸素要求量 (COD)※ |
溶存酸素量 (DO) |
大腸菌数 | n-ヘキサン 抽出物質 (油分等) |
||
A | 水産1級 水浴 自然環境保全 及びB以下の欄に 掲げるもの |
7.8以上8.3以下 | 2mg/L以下 | 7.5mg/L以上 | 300CFU/100mL以下 | 検出されないこと。 |
B | 水産2級 工業用水 及びCの欄に 掲げるもの |
7.8以上8.3以下 | 3mg/L以下 | 5mg/L以上 | − | 検出されないこと。 |
※B類型の工業用水及び水産2級のうちノリ養殖の利水点における測定方法はアルカリ性法
備考(一部抜粋)
1.自然環境保全を利用目的としている地点については、大腸菌数 20CFU/100mL以下と する。
イ
項目 類型 |
利用目的の適応性 | 基 準 値 | |
全窒素 | 全燐 | ||
I | 自然環境保全 及びⅡ以下の欄に掲げるもの (水産2種及び3種を除く。) |
0.2mg/L以下 | 0.02mg/L以下 |
II | 水産1種 水浴 及びⅢ以下の欄に掲げるもの (水産2種及び3種を除く。) |
0.3mg/L以下 | 0.03mg/L以下 |
備考(一部抜粋)
1.基準値は、年間平均値とする。
2.水域類型の指定は、海洋植物プランクトンの著しい増殖を生ずるおそれがある海域について行うものとする。
ウ
項目 類型 |
利用目的の適応性 | 基準値 | ||
全亜鉛 | ノニルフェノール | 直鎖アルキルベンゼン スルホン酸及びその塩 |
||
生物特A | 生物Aの水域のうち、 水生生物の産卵場(繁殖場) 又は幼稚仔の生育場として 特に保全が必要な水域 |
0.01mg/L 以下 | 0.0007mg/L以下 | 0.006mg/L以下 |
地下水における人の健康の保護に関する環境基準は以下に示すとおりです。
詳細は環境省HPをご覧ください。
項目 | 基準値 | 項目 | 基準値 |
カドミウム | 0.003mg/L 以下 | 1,1,1-トリクロロエタン | 1mg/L 以下 |
全シアン | 検出されないこと。 | 1,1,2-トリクロロエタン | 0.006mg/L以下 |
鉛 | 0.01mg/L 以下 | トリクロロエチレン | 0.01mg/L 以下 |
六価クロム | 0.02mg/L 以下 | テトラクロロエチレン | 0.01mg/L 以下 |
砒素 | 0.01mg/L 以下 | 1,3-ジクロロプロペン | 0.002mg/L以下 |
総水銀 | 0.0005mg/L以下 | チウラム | 0.006mg/L以下 |
アルキル水銀 | 検出されないこと。 | シマジン | 0.003mg/L以下 |
PCB | 検出されないこと。 | チオベンカルブ | 0.02mg/L 以下 |
ジクロロメタン | 0.02mg/L 以下 | ベンゼン | 0.01mg/L 以下 |
四塩化炭素 | 0.002mg/L以下 | セレン | 0.01mg/L 以下 |
クロロエチレン | 0.002mg/L以下 | 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 | 10mg/L 以下 |
1,2-ジクロロエタン | 0.004mg/L以下 | ふっ素 | 0.8mg/L 以下 |
1,1-ジクロロエチレン | 0.1mg/L 以下 | ほう素 | 1mg/L 以下 |
1,2-ジクロロエチレン | 0.04mg/L 以下 | 1,4-ジオキサン | 0.05mg/L以下 |
備考(一部抜粋)
1.基準値は年間平均値とする。ただし、全シアンに係る基準値については、最高値とする。
2.「検出されないこと」とは、測定方法の欄に掲げる方法により測定した場合において、その結果が当該方法の定量限界を下回ることをいう。
要監視項目とは、人の健康の保護に関連する物質及び、水生生物等の生育または生育環境の保全に関連する物質ではあるが、公共用水域等における検出状況等からみて直ちに環境基準とはせず、引き続き知見の集積に努めるべきもの、として設定されている項目です。現在「人の健康の保護に係る項目」として26項目、「水生生物の保全に係る項目」として6項目が設定されています。
詳細は環境省HPをご覧ください。
要調査項目とは、個別物質ごとの「水環境リスク」は比較的大きくない、又は不明であるが、環境中での検出状況や複合影響等の観点からみて、「水環境リスク」に関する知見の集積が必要な物質として設定されている項目です。現在は208物質群が選定されています。
詳細は環境省HPをご覧ください。
農業用水の水質において、各汚濁物質項目による被害(作物の減収等)が発生しないために望ましい数値として、農林水産技術会議により農業用水基準が定められています。
項目 | 基準値※ | 作物とのかかわり |
水素イオン濃度(pH) | 6.0〜7.5 | 灌漑水中に溶出する元素量はpHに依存 極端な高pH、低pHの水中では植物細胞は死滅 |
化学的酸素要求量(COD) | 6.0mg/L以下 | 水田では有機物が多いと土壌の還元が促進され硫化水素の発生により根腐れ |
浮遊物質量(SS) | 100mg/L以下 | 水田では透水性、通気性の悪化、園芸用では作物の汚れ灌水ノズルの目づまり |
溶存酸素量(DO) | 5mg/L以上 | 酸素不足による根の呼吸、養分吸収等の活性低下 |
全窒素(T-N) | 1mg/L以下 | 富栄養化の原因物質 |
電気伝導度(EC) | 30mS/m以下 | 海岸沿いでは塩分含量と相関が高い。浸透圧を高め作物根の吸収阻害 |
砒素 | 0.05mg/L以下 | 過剰害:葉脈を残し黄変葉 |
亜鉛 | 0.5mg/L以下 | 過剰害:葉脈間のクロロシス、青枯れ的症状 |
銅 | 0.02mg/L以下 | 過剰害:葉の先端から黄化 |
※昭和46年10月4日農林水産技術会議
水産利用に必要な水質に関する指針については、貧栄養化による影響も含め、公益社団法人日本水産資源保護協会により水産用水基準が定められています。(PDF)
分析依頼についてはこちらをご覧ください。
ご相談は下記連絡先までお願いします。
連絡先:(一財)三重県環境保全事業団 科学分析部 第一分析課
電話:059-245-7508 FAX:059-245-7516
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