上の図は、三重県を平野部(標高100メートルまでの開けたところとしました)と山間部(標高100メートル以上、または周りを山に囲まれたところとしました)に区分して、セミの各種類について平野部と山間部で報告件数の割合をあらわしたものです。
これをみると平野部ではアブラゼミに次いでクマゼミ、ツクツクボウシが高い割合を占めているのに対し、山間部ではアブラゼミに次いでミンミンゼミとヒグラシが高い割合を占めているのがわかります。
すなわち、アブラゼミは平野部と山間部の両方で最もよく見られる種類であり、クマゼミやツクツクボウシはより平野部に、ミンミンゼミとヒグラシはより山間部にかたよって分布するという傾向がみられました。
このことは、種類ごとに平野部と山間部の報告件数を比較した図からもわかります。
今回のアンケートではチッチゼミとコエゾゼミを除き、どの種類も伊勢湾沿いの地域に広く分布し、内陸部や志摩半島、熊野なだ沿いの地域では分布域が限られるという結果になりました。
これは寄せられた情報の件数が地域によって異なったことや種類によって鳴き声のわかりやすさに差があったことによるものと思われます。これらの問題をふまえ、今後さらに詳しい調査が望まれます。
アブラゼミ | 354件 |
クマゼミ | 226件 |
ツクツクボウシ | 237件 |
ニイニイゼミ | 185件 |
ミンミンゼミ | 208件 |
ヒグラシ | 182件 |
ハルゼミ | 40件 |
チッチゼミ | 2件 |
コエゾゼミ | 1件 |
合計 | 1,435件 |